バトナージ(その40)

ヤライ「まずは、スリーパー事件でのおまえたちの協力に礼を言わせてもらう。
    ありがとう」
ユウキ「いえいえ、やめて下さいよ、そんな、水くさい――」
ミライ「そうよね。家族なんだから助け合うのは当然じゃない」
ヨウジ「ま、ヤライ兄ィでもたまにゃ役に立つこともあるしな。生かしとくのも悪かねェ」

ヤライ「おまえたち……。本当に……ありがとう……。
    俺がこうして五体満足でいられるのは、すべておまえたちのおかげだ」
ユウキ「だから、そんなにかしこまらないで下さいって。
    ほら――。
    僕たちがスリーパー事件を追っているあいだに、色々な新情報が上がっていたようですよ」
ヤライ「お、おお。そうだったな。こうしてはいられない。
    俺たちは、販促活動をこなし、株式会社ポケモンに貢献しなければならない身であった。
    休んでいるヒマはないぞ」
ヨウジ「へ……? いや、ちょっと待てよ。オレたちゃバンドグループだぞ。
いつから、株ポケの広報担当になったんだ?」
ヤライ「フフフ……。甘いな、ヨウジ。
    ――知っての通り、株式会社ポケモンは販促活動に対し特に力を注いでいる」
ユウキ「劇場版で芸能人を声優に配したり、ポケモンプラチナの発売に合わせて
    ポケモンリバイバルの内容をダイヤモンドパール編に変更したり、などですね」
ヤライ「うむ。――つまり、俺たちが販促活動に力を入れれば、
    その活躍が株式会社ポケモンの重役の目にとまり、
    『会社にとって有益な存在であるゴーゴー4を新作に出してみようか』
    という話しに発展する可能性が高い」
ミライ「さすがヤライ兄さん! 今日も冴えてるぅ!」
ヤライ「なぁに。これもゴーゴー4の躍進を願えばこそ。
    成り上がるためのアイディアなら湯水のように沸いてくるものだ」

ヨウジ「な、なぁ……。1つ、いいか?」
ヤライ「うん?」
ヨウジ「作戦会議自体は構わねェが、こんなふうに、子供の夢を壊すような会話してたら、
    『ゴーゴー4は株ポケに不利益をもたらす』って判断されんじゃね?」

ヤライ「……」
ユウキ「……」
ミライ「……」

ヤライ「――さて……。ここまでの流れは無かったことにして――」
ヨウジ「手遅れだっつーのッ!!」
2009/03/14(土)