| バトナージ(その30) ヤライ「す、すまん。冷静さを欠いているせいで発言も支離滅裂になりがちでな」 ヨウジ「テンパッてんなぁ、ヤライ兄ィ」 ミライ「仕方無いわよ。いきなり演奏ができなくなるなんて、 ヤライ兄さんにとってはホントに辛いことだもん」 ヨウジ「で、どうすんだよ、これから?」 ヤライ「うむ。こういった危機的状況でこそ元幹部としての采配が試されるワケだ。 まずは警察に被害届を出すべきだろう。――それから――」 ヨウジ「オレたちも街に繰り出してスリーパーを捜すんだな?」 ヤライ「それも視野に入れているが、先にネットの力を使おうと思う。 ――世界中に張り巡らされたネットの網はときに極秘情報でさえも捕らえる。 おそらくヤマブキシティに出没する不審なポケモンの情報も見つかるハズだ」 ヨウジ「お、おう。そっち方面のこたぁよくわかんねーけど便利なモンだな。 んじゃ、ヤライ兄ィがパソコンで探してるあいだにオレが警察に電話を――」 ヤライ「いや。パソコンの操作は機械に精通しているユウキが適任だ」 ミライ「ユウキ……兄さん……?」 ユウキ「ZZZ……」 ヨウジ「……漫画みたいな効果音出しながら寝てんぞ……」 ヤライ「今は一刻を争う事態だ。起こすぞ」 ミライ「と、いうか、これだけ大騒ぎしてるのに起きないって凄いわね……」 ヤライ「おい! ユウキ! 目を覚めせ!」 ユウキ「う〜ん……。バネ……。伝説の……」 ヤライ「幸せな夢を見ているところ申し訳ないが、 バンド活動に支障がでるほどの重大な事件が発生したんだ! 頼むから起きてくれ!」 ユウキ「はい……。バンドが好きです……。でも、バネはもっと好きです……」 ヤライ「むう……。なんという眠りの深さ。一向に目覚める様子を見せない……」 ミライ「ちょっといい? ヤライ兄さん」 ヤライ「うん? ――ミ、ミライ?」 ヨウジ「おおっ! スタイラーで起こすんだな!?」 ミライ「うん! これを耳元で鳴らされれば、さすがのユウキ兄さんも――」 ユウキ「誰だッ! こんな時間に騒いでるのはッ!」 ヨウジ「うおっ! いきなり起きた!」 ミライ「てゆーかユウキ兄さん、血圧低そう!」 ユウキ「バネに囲まれる幸せを破壊された悔しさをバネに――」 ヤライ「落ち着けユウキ! ――ね、寝ボケているのか!?」 ユウキ「バネだバネだ、リベンジだぁぁぁッ!!」 ◆ ユウキ「ん……。う〜ん……。朝か……。 ――今朝も清々しい空気だ。オニスズメのさえずりが耳に心地いい……。 絶好のバンド日和だし、早くヨウジのスタイラーを修理して活動を再開したいなぁ……。 ――こんなにいい天気なんですから、兄さんたちもそろそろ目を覚ましたほうが―― ――って、うわッ! なんでみんな満身創痍なんですかッ!?」 ヤライ「……いや……、色々とあってな……」 ヨウジ「結局、朝になっちまった……」 2009/01/01(木) |