バトナージ(その47)

ヨウジ「さてと。封筒ン中にゃ何が入って――」
ヤライ「危ない、ヨウジ!!」
ヨウジ「ぶぐあァッ!?」

ヤライ「……ふぅ……。
    ――どうやら、爆発物ではないようだな。ヨウジが無事で何よりだ」
ヨウジ「無事じゃねーよ! おもいっきり叩きつけやがって!
    鼻っ柱、潰れるとこだったっつーの! 病院送りにする気か!」
ヤライ「安心しろ。
    どんな姿になっても、どこに行っても、おまえは俺の弟だ」
ユウキ「ムダにかっこいいセリフでごまかしてますね……」
ヤライ「無論、ユウキとミライも大切な兄妹だぞ」
ミライ「この状況で言われても嬉しくないんだけど……」

ヤライ「しかし、危険物で無いと分かったとしても、
    不審な郵便物であることに変わりはないな。果たして何が記されていることやら……」
ユウキ「とりあえず、確認してみましょう」

ヤライ「……なんだこれは」
ユウキ「ぼ、僕に訊かれても……」
ヤライ「白紙じゃないか、何も書かれていない……」
ミライ「真っ白ね…」
ヨウジ「イタズラなんじゃねーの」
ヤライ「いや……まてよ……。
    これはおそらく、時事ネタだ」
ミライ「時事ネタ?」
ヤライ「空の探検隊発売直後であるこの時期――。関係者は宣伝に力を入れているはずだ。
    つまり、この白紙は時事ネタのひとつに違いない」
ユウキ「と、言いますと?」
ヤライ「『スペシャルエピソード・てんさいププリン』に、これと似たような状況があった」
ミライ「地図の表面を火で焦がしたら、下から更に地図が現れたってやつだっけ?」
ヤライ「うむ。――推測になるが、この白紙の表面を燃やせば……。

    ――おおッ! これはっ!」
ユウキ「予感的中ですか!?」

ヤライ「灰になった」
ヨウジ「何してんだテメーはッ!!」
2009/05/04(月)