バトナージ(その46)

ユウキ「ちょっといいですか、ヤライ兄さん」
ヤライ「うん? どうした、ユウキ。
    今は、空の探検隊のレビューを作成することに全精力を注ぐ時。
    そんなところに立ち尽くしていないで、空の探検隊をプレイしろ」
ユウキ「それは理解していますけど、手紙が来ているので……」
ヤライ「手紙? ダイレクトメールなら捨てておけ」
ユウキ「いえ、ダイレクトメールではないようです。
    差出人不明で、切手も貼っていないので気になりまして――」
ミライ「なんか気味悪いわね……」
ヤライ「ふむ。たしかに怪しい……。
    かと言って、このまま廃棄するのも気が引ける。まずは、危険物かどうかを確認しよう。
ユウキ、簡単な着火装置を作ってくれ。俺は火薬を調達してくる」
ユウキ「フルメタル・パニック!の主人公じゃないんですから、そこまでしなくても――」
ヤライ「だが、念には念を入れるべきだ。
    スリーパー事件の際、ハンサム山本を警察が拘束するよう仕向けただろう。
    復讐に燃えるハンサム軍団が俺たちを消し去ろうと企んでいたとしてもおかしくはない」
ユウキ「か、かいとさんたちはそんなことしませんよ……」

ヤライ「いや。
    4月5日のポケモン☆サンデーで、かいとが見せた瞳の輝き――
    あの眼は、偽りなき忠誠を誓う男の眼だった。
    かいとはハンサム山本のためならば命を投げうつ覚悟を持っているに違いない」
ミライ「なによ、その根拠のない自信……」
ヨウジ「ケッ! 会ったこともねェヤツのことが、なんで分かんだか。
    ヤライ兄ィのたわごとにゃ付き合ってらんねーぜ。
    もういい、オレが開けてやるよ」
ヤライ「ま、待て、ヨウジ! 迂闊に触るな! 万が一、爆発物が入っていたら――」
ヨウジ「こんなに軽くて薄い爆弾があるかっつーの。
    何か入ってたとしても、せいぜいカミソリの刃だろ。ビビりすぎなんだよ、ヤライ兄ィは」
ヤライ「ぬぅ……。おまえの身を案じて忠告してやっているというのに何たる言い草……。

    かまわん! ヨウジごと爆破するぞ!」
ヨウジ「ぜんぜん案じてねーだろ!!」
2009/04/26(日)