バトナージ(その44)

ヤライ「よし、話しはまとまったな」
ヨウジ「ぜんぜんまとまってねーよ」
ヤライ「善は急げ。
    さっそく株ポケに、不思議のダンジョンに出演させてもらえるよう掛け合ってみよう。
    ――ユウキ、電話帳を」
ユウキ「はい、ただいま」



ヤライ「あ、――夜分遅くにすまない。俺だ。株ポケのえらい人を出してくれ」

ユウキ「繋がったみたいですね」
ミライ「ドキドキするわね〜。出してもらえるといいなぁ」
ヨウジ「そう簡単にゃいかねーだろ。世界観自体が違ってんだからよ」
ユウキ「しかし、ポケモンレンジャーの世界にも、
    ポケモントレーナーという名称が存在するあたり、
    それぞれの作品は深いところでリンクしているということではないでしょうか」
ミライ「そうよね。不思議のダンジョンの世界だって、
    わたしたちが活躍した世界と繋がってる可能性はあるわよね」

ヤライ「――うん? 俺の名前? まぁ、声だけでは正体を見抜けないのも無理はないか。
    ポケモンレンジャーシリーズに出演させて頂いた悪役4人組といえば分かるだろうか?
    ――え……? いや、違う。それはトリオ・ザ・ヘルだ。
ト    リオ・ザ・ヘルは3人じゃないか。俺たちは4人組だ。
    ――ああ、もういい。ゴーゴー4だ、ゴーゴー4。バンドグループの。
    え? そんなグループ知らない? ふ、ふざけるな! おまえ、それでも株ポケの社員か!
    話しにならん! 早くえらい人を出せ!
    平社員ごときに、人気バンド、ゴーゴー4の相手が務まるわけがなかったんだ!
    ――は……? いや、エロい人じゃない! えらい人だ!
    いい加減にしろ! おまえ、わざと間違っているのか!
    ――え? 穴久保先生がお見えになったから、一旦、通話を切る?
    何を言ってるんだ! そんなもの、待たせておけ! 俺たちはゴーゴー4だぞ!
    優先すべきなのはどう考えても俺たちのほうであって――
    あ、コラ! 待て、切るな! 話しはまだ――、あ――!」



ユウキ「……」
ヨウジ「……」
ミライ「……」

ヤライ「ふぅ……。

    ゴーゴー4の出演、手配してくれるそうだ」
ヨウジ「ウソつけッ!!」
2009/04/11(土)