バトナージ(その43)

ユウキ「兄さんの危ない妄想は置いておくとしてですね――。
    仮に僕らがポケモンに変身できるとしたら、いったいどんなポケモンになるんでしょう」
ヨウジ「そりゃあ、オレたちが1作目で使ってたポケモンだろ」
ミライ「ヤライ兄さんがバンギラス、ユウキ兄さんがハッサム、
ヨウジ兄さんがケッキング、わたしがバクーダってこと?」
ヤライ「ヨウジだけ似合いすぎだな」
ヨウジ「どういう意味だ」
ヤライ「説明されないと判らないのか?」
ユウキ「まぁまぁ。

    ――それよりもどうです? ポケモン不思議のダンジョンの世界ならば、
    なんらかの方法を用いてポケモンの姿を取ることも可能ですし、
    『ゴーゴー4がポケモンになった』という設定でいけるのでは?」
ヨウジ「だけど、ポケモンに楽器が使えんのかよ?
    楽器はオレたちのトレードマークだぜ。使えなきゃ話しになんねーよ」
ヤライ「そうは言うが、おまえ、楽器なんて持っていないじゃないか」
ヨウジ「テメェが壊したんだろーが!」
ユウキ「落ち着いて下さい。

    ――楽器の使用についてはご心配なく。
    不思議のダンジョンシリーズでは、ポケモンたちが街を作り、人間のように営んでいます。
    本編のポケモンより器用と思われ、楽器も扱えるのではないでしょうか」
ヤライ「だが、ビジュアル面も考慮しなければならない。
    百歩譲って、俺、ユウキ、ヨウジはともかく、ミライがバクーダというのはどうだろう。
    妹がバクーダというのはハイレベルではないだろうか」
ユウキ「いえ、そうでもありません。
    ライトノベルの新人賞においては、文章の巧さ以上に個性が重要視されますし、
    こういった奇抜な設定を用いた作品のほうが有利だと言われています」
ミライ「そういえば、田尻さんが作った、クインティっていうゲームも、
    システムからストーリーまで個性的だったわよね」
ユウキ「ええ。良質な娯楽作品は素晴らしいアイディアを備えているということです」
ヤライ「ふむ……。

    それではまず、ヒロインがバクーダに変身する小説のプロットを作成して――」
ヨウジ「そういう会議じゃねーだろッ!!」
2009/04/04(土)