バトナージ(その41)

ヤライ「言ってしまったものは仕方がない。ここから挽回しよう。
    ――ユウキ、新情報を発表してくれ」
ユウキ「了解しました。

    ――1番大きなニュースですが、
    今年の映画のタイトルが、『アルセウス 超克の時空へ』に決定したようです」
ヤライ「ア、アルセウスだと!? それはいったい、どのようなポケモンなのだ!?」
ミライ「ど、どのような、って……。
    もうずっと前からネットで情報が出回ってるじゃない。何で今さら――」
ヤライ「シッ! よく考えろ、ミライ。
    新情報が公開されたとき、聞き手が驚くのは通例だ。
    ポケモンサンデーでも、事前に情報が与えられているにも関わらず、
    しっかりと驚いているだろう」
ミライ「た、たしかに……」
ヤライ「ポケモンにあまり興味が無さそうな秋山隊員でさえ驚いているのだ。
    俺たちも、それに習って衝撃を受けた態度を装うべきだろう」
ユウキ「わ、分かりましたから、際どいセリフはやめて下さい。冷汗が出ます」
ヨウジ「まぁ、どうしてもっつうんなら驚いてもいいけどよ……」
ヤライ「よし。――では、続きから始めるぞ。

    ――アルセウスとはいったい、どのようなポケモンなのだ!?」
ユウキ「はい。
    アルセウスは、なにもない場所――すなわち無、に唯一置かれていたタマゴから姿を現し、
    世界を生み出したと云われているポケモンです」
ヤライ「ほう……。世界を生み出した、とは、またスケールの大きいことだ。
ここまで巨大な存在を出してしまったら、次回作がスケールダウンするんじゃないか?」
ユウキ「いえ……、僕に訊かれても……」
ヤライ「それもそうだな。続けてくれ」
ユウキ「は、はい……。
    ――アルセウスの特性は、所持しているプレートによってタイプが変化する、
    『マルチタイプ』という、とても珍しいものだそうです」
ヤライ「なるほど……。

    持たせるプレートによって、
    ツンデレタイプのアルセウスや、委員長タイプのアルセウスが楽しめるのか」
ヨウジ「そっちのタイプじゃねーよっ!!」
2009/03/21(土)