バトナージ(その39) ヤライ「ではスリーパー。まずは俺の特性を返してくれ」 スリーパー「……(コクリ)」 ◆ ヤライ「――ん……、うう……」 ミライ「どう? ヤライ兄さん」 ヤライ「……ん……、ああ、どうやら首尾よく戻してくれたようだ。 無性にギターをかき鳴らしたく……なって……き……た……」 ヨウジ「おっと!」 ミライ「ヤライ兄さん!?」 ユウキ「大丈夫ですよ。不眠の特性が消えて眠れるようになったんでしょう」 ヤライ「……Z……Z……」 ヨウジ「マジだ。いびきかいてやがる」 ミライ「はぁ……、よかったぁ……」 ユウキ「ええ、本当に……。兄さんが廃人にならずに済んでなによりです。 ――スリーパーさん。もう、ポケモンの道を踏み外すようなことはしないで下さいね」 スリーパー「……(コクリ)」 ユウキ「素直で助かります。――これで、スリーパー編、完結といったところですね」 ヨウジ「あーあ、安心したらドッと疲れが出てきたぜェ」 ミライ「ずっと気を張り詰めっぱなしだったもんね〜」 ナツメ「しかし、まだ1つ問題が残っている」 ユウキ「え?」 ナツメ「私は今朝方、たしかに部下を1人送り出した。 にも関わらず、おまえたちと接触したのはハンサムという胡散臭い男のみ。 私の部下はどこへ消えた?」 ユウキ「そういえば――」 若い男の声「失礼します! ナツメどの! ただいま戻ったのであります!」 ナツメ「ああ、ちょうど、おまえの話しをしていたところだ」 ユウキ「ナイスなタイミングですね」 ナツメ「――おまえには、スリーパー事件の被害者への事情聴取を任せていたハズだろう。 今まで何をしていた?」 ナツメの部下「はっ! 申し訳ありません! わたくし、被害者宅への道中で野生のポケモンに襲われていたのであります!」 ナツメ「野生のポケモン……?」 ナツメの部下「はっ! 人通りもまばらなガード下を通りかけた際、 ジュペッタの襲撃を受け、意識を失ったのであります! 気が付きましたら、わたくし、病院のベッドで点滴を受けておりました!」 ヨウジ「……」 ナツメの部下「その後、急ぎ、被害者宅へ向かったのでありますが、 留守のため、こうして戻ってきた次第であります! ――あ! わたくしの体については心配無用! 医師の診断によると、さして珍しくもない栄養失調とのことでした! 現在は体調万全! 眼が冴えて仕事への意欲が沸き上がっております!」 ユウキ「……」 ミライ「……」 ヨウジ「……無限ループって恐くね?」 2009/03/07(土) |