バトナージ(その26)

ヤライ「うーむ……。この画像はこちらのフォルダに……」
ヨウジ「おい、ヤライ兄ィ」
ヤライ「うん?」
ヨウジ「『うん?』じゃねーよ! なにしてんだよ、いったい!」
ヤライ「パソコンに保存してある画像の整理だが」
ヨウジ「そういうことじゃねーよ!
    なんでオレのスタイラーの修理が後回しになってんのかって話しだ!
    おかしいだろ!? ゴーゴー4の存続にかかわるデケェ問題だろーがよ!」
ヤライ「いや。
    しばらく考えてみたのだが、やはり小太鼓に大した重要性は無いと思うのだ。
    ――と、言うより、
    いっそのこと、ゴーゴー3に改名するのも、やぶさかではないというか……」
ヨウジ「おいおい! 今、さらっとトンでもねえコト言ったぞ!?
    オレたちの存在意義を根底から揺るがす問題発言だ!
    記者会見開いて謝っても許されねーレベルだろ! 今のは!」
ヤライ「そういきり立つな、ヨウジ。
    芸能界で活動してゆくにはブラックジョークを受け流せる寛容さが大切だ。
    たとえば、島○紳助氏は人の短所を指摘することで笑いを取っているが――

    ――ん!? ……これは……」
ヨウジ「な、なんだよ? いきなり……」
ヤライ「ユウキめ。ロックを掛け忘れているぞ。不用心な」
ヨウジ「あん? ロック? 『快盗! ポケモン7』に出てくるナンパ男か?」
ヤライ「いや、そっちではない。
    ――パソコンに保存した画像入りのフォルダには、
    プライバシーを守るため、パスワードを用いたカギを掛けておくものだが、
    ユウキのヤツ、自分のフォルダをロックし忘れていたようだ。
    ミライに見られたら困る画像もあるだろうに……」
ヨウジ「へぇ……、そんな機能があんのか……。

    ――なぁ、なぁ、ヤライ兄ィ。ちょっと、中、見てみようぜ」
ヤライ「何を言っている。このフォルダはユウキのものだと今しがた説明しただろう。
    いかに兄妹であろうと、プライバシーを害することは避けねばならん」
ヨウジ「かてぇコト言うなよ、ヤライ兄ィ。ちょっとだけだって。
    ヤライ兄ィだって、ユウキ兄ィがどんな趣味してんのか気になんだろ?」
ヤライ「し、しかし……」
ヨウジ「えーと、このボタンを2回連続で押すんだったか? よっと――」
ヤライ「お、おい、ヨウジ! 勝手にマウスを――
    ――あっ!」

ヨウジ「……」
ヤライ「……」
ヨウジ「全部バネ画像……」
2008/11/24(月)