バトナージ(その14)

ヤ・ユ・?・ミ「ポケモン・ア・ゴーゴー!」

ユウキ「フィオレ生まれの4人組が海を越えてやってきたぜー!」
ミライ「知ってるあなたはいいお客。昔の悪役4人組!」
ヤライ「だけど今では心をチェンジ! ご覧の通りのビジュアル系!」
???「バ、バババ、バンドの名前は! ゴーゴーよん!
     ここ、声小さいだ……ぜ! ゴーゴーよん!
     はず、はず、恥ずかしがらずに! ゴーゴーよん!!!」

ミライ「4人は兄妹、ゴーゴー4! バンドの基本は4人よねー!」
ヤライ「3人より4人! 5人より4人!」
???「ご、ごごご、ゴーゴーよーん!」

ユウキ「って――、誰ですかあなたはッ!?」
ミライ「ヨウジ兄さんの代わりに黄色い人が居るッ!」
???「あ、オ、オオオ、オラはデゼル!」
ユウキ「名前じゃなくて、ここに居る理由を聞いているんです!」
ヤライ「それは俺から説明しよう」
ミライ「ヤライ兄さん……?」
ユウキ「また兄さんの仕業ですか? ヨウジをどこへやったんです?」
ヤライ「いや……。今度、俺たちがコミックマーケットで出すCDがあるだろう?
    ヨウジは、そのCDに収録する歌詞を作るとかで部屋に閉じこもってるんだ」
ユウキ「そ、そうなんですか……。それは、まぁ、仕方ありませんね……。

    で――、この黄色い方は何なんですか?」
ヤライ「小太鼓のパートが居ないと困るから、ちょっと……な……」
デゼル「オ、オラ、街歩いてたら、こん人に無理やり連れてこられただよ!
     小太鼓なんか演奏できね、って言ったども、叩くフリでいいとか返されて!」
ユウキ「に、兄さぁん……。あなたって人は、また無関係の人を巻き込んで――」
ヤライ「そんなにいきり立つな。――ホラ。よく見ればヨウジに似ているじゃないか」
ユウキ「た、たしかに体格の良さといい、目つきといい、
    遠めで見れば似ていないことも――って――、そういう問題じゃないでしょう!
    いくら似ていたって、この人はヨウジじゃないんですから! 黄色いし!」
ミライ「黄色いわね!」
ヤライ「しかし、演奏前に気付かなかったおまえたちも大概だな」
ユウキ「と、とにかく! ――えーと、デゼルさんでしたっけ?
    ウチの兄がご迷惑をお掛けしました! 本当に申し訳ありませんでした!」
ミライ「ごめんなさい……」
ユウキ「ほら! 兄さんも言うことがあるでしょう!?」
ヤライ「ん……。ああ……。そうだな……。

    ――まぁ……。

    よく考えたら小太鼓は必須ってワケでもないな」
ユウキ「ちゃんと謝ってくださいッ!!」
2008/07/29(火)