家族会議

ヤライ「さて、結局スマブラXにも俺たちは出演できなかったワケだが……」
ユウキ「それで家族会議ですか。しかし、人間キャラはポケモントレーナーのみでしたから
僕たちの登場は最初から無理だったと考えるべきでは――」
ヨウジ「そうだな。ポケモンレンジャーの開発にはHAL研が関わってたから
    桜井の力でどうにか――なんて妄想したりもしたけどよ。
    所詮オレたちゃあ1発屋。つぶやきシローみたいに消えゆく運命だ。
    まぁ、親父から食いモンは届くし、別に仕事なんざなくても――」

ヤライ「……だからおまえらは2流なんだよ」
ヨウジ「あァ!? いまなんつった!」
ヤライ「聞こえなかったか? 2流っつったんだよ、おまえら2人ともな」
ヨウジ「おいおい、いくら兄貴でも言っていいことと悪いことがあんだろ? あ?」
ユウキ「ええ、さすがに今のは僕もカチンときました。
    現実を直視した回答をしたにも関わらず、自分が気に入らなければ僕らに八つ当たりですか」
ミライ「ちょ、ちょっと3人とも落ち着いて――」
ヤライ「ミライ、ちょっと黙っててくれ」
ミライ「でも――」
ヤライ「いいから。ちょっとのあいだだけ頼む」
ミライ「……」

ヤライ「コホン……。いいか、よく聞け。俺たちは今までどんな人生を送ってきた?
    親父の元で過ごしたあの日々、それはたしかに充実したものだった。
    だけど何不自由ない生活を送れたのは他でもない親父あってこその話しだろう?」
ヨウジ「う……それは……」
ヤライ「親父の元を離れた俺たちはどうだ? 日々を怠惰に過ごし、仕送りで生活する有様。
    こうしているあいだにも他のやつらは仕事を見つけ、活躍の場所を広げてるんだぞ」
ユウキ「に、兄さん……」
ヤライ「おまえら悔しくねーのか! 無理だの不可能だの、そんなことは負け犬の戯言だ!
    死ぬ気でやればなんだって出来るだろーが! 諦めるな! 前を向け!
    不可能だと断定するのは命を落としてからだ! それまでは絶対に諦めるんじゃない!」

ミライ「――ヤ、ヤライ兄さん……」
ヨウジ「う……うう……。すまねぇ、ヤライ兄ィ……。
    そうだよな。嘆いてたって始まらねェよな……」
ユウキ「す、すいません。父さんと暮らしていたときのままの気分で浪費していました。
    僕も反省する点が多々あります」
ヤライ「いいんだ、ユウキ、ヨウジ、ミライ。大切なのはこれからだ。
    親父に楽をさせてやるためにも、はやく仕事を見つけような」
ミライ「そうね。バンド活動だけじゃ食べていけないし、なにかアルバイトを探しましょ」
ユウキ「ええ。父さんに頼らずとも立派に生活していけるということを証明するためにも!」
ヤライ「決まりだな。それでどうやって仕事を見つけるかだが……。
    ――こういうときは……」
ヨウジ「ん? なに書いてるんだ……?」

ヤライ「よし! 仕事を用意してくれるようにとの手紙を親父宛てに書いたぞ!」
ヨウジ「頼らないんじゃねーのかよ!!」
2008/02/20(水)